農業で雇用できる外国人の在留資格まとめ

2023/12/21

農業における、労働者の不足と高齢化が問題となっています。

農業労働力支援協議会によると、将来にわたって農業生産を継続するためには農業従事者数90万人が必要とされています。

人材を確保する1つの解決策として、外国人雇用があげられます。

農業に就労するにあたっては、該当する在留資格を取得している外国人のみ、雇用することができます。

在留資格とは外国人が日本で滞在できる証明で資格内容によって、日本で従事できる活動が変わります。

日本の農業に就労できるのは主には5種類あり、それぞれの就労制限や特徴が違うので確認しましょう。

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「特定技能」

2019年4月から「特定技能」という在留資格が設立されました。

それにより、人手不足が非常に厳しい14の業種において、その業種における一定程度の知識・技能を有している、即戦力として働ける外国人労働者を受け入れることが可能となりました。

農業もそのひとつです。

「特定技能」を申請するには、全国農業会議所が作成した農業技能測定試験と日本語の試験の両方に合格すること、もしくは日本で農業における3年以上の実務経験を持つことのいずれかの条件を満たす必要があります。

特定技能外国人は、通算5年日本に滞在することが可能です。

その期間は就労時間に制限なく農業の仕事をでき、農業全般に加え付随する業務にも従事できます。

中長期の人材を確保するための制度なので、原則として直接雇用を行う必要がありますが、 農業は季節や農産物によって繁忙期が異なるため、派遣での雇用も可能です。

また、自社のニーズと状況に応じて雇用形態を調整できます。

特定技能2号への追加

なお2023年8月31日からは特定技能2号の対象分野が拡大され、農業分野も対象となりました。

一番大きな違いとしては、働く期間の上限です。

「特定技能1号」ビザを持っている外国人が通算5年のみ働ける一方、2号特定技能外国人は上限なし就労することが可能です

また、「特定技能2号」ビザの申請にあたって外国人に対する職場・生活支援が不要となるので、特定技能所属機関にとっての負担が少なくなるといえます。

くわしくはこちらの記事:「特定技能(1号・2号)」ビザの申請方法と取得要件を解説

「特定活動」国家戦略特区農業支援外国人受入事業

農業系の専門学校を卒業した留学生、もしくは、農業において1年以上の実務経験がある外国人を受け入れるため、2018年に「国家戦略特区農業支援外国人受入事業」を開始しました。

国家戦略特区農業支援外国人受入事業とは、国家戦略特別区域内において、農作業や加工の作業に従事する日本の農業現場で、即戦力となる外国人材を人材派遣会社が雇用契約に基づいて受け入れる事業です。

この制度によって、厚生労働省が認定している派遣会社が、外国人を農業の事業所に派遣することが可能となりました。

派遣期間は、外国人の就労時間に制限がないため専門学校で学んだ農業に関する知識・技能を活かして勤務できます。

ただし、派遣であるため、外国人が滞在できるのは最長で3年間となります。

「技能実習」

外国人技能実習制度は、日本で開発され培われた技能・技術を母国へ持ち帰り、役立ててもらうために設立されました 。

その開発途上国の経済発展を担う人づくりに協力することを目的とした制度です。

しかし、技能と日本語の最低水準を設けていないので雇用前に確認をして必要に応じて研修などを設けましょう。

「技能実習」と「特定技能」の違い

「技能実習」と「国家戦略特区(農業支援外国人受入事業)」と「特定技能」の外国人は、労働時間の制限なく働くことができますが、技能・日本語水準や雇用形態によって従事できる業務が異なります。

 

技能実習制度

国家戦略特区
(農業支援外国人受入事業)
特定技能制度

在留資格

「技能実習」
→実習目的

「特定活動」
→就労目的

「特定技能1号」
→就労目的

目的

・技術移転による国際協力
・労働力の需給調整の手段としてはならない

農業の成長産業化に必要な労働力の確保等による競争力強化

一定の専門性・技能を有し、即戦力となる外国人材を受け入れる

受入主体(雇用主)

実習実施者(農業者等)
※農協が受入れ主体となり、組合員から農作業を請け負って実習を実施することも可能

派遣事業者

・農業者等
・派遣事業者(農協、農協出資法人、特区事業を実施している事業者など)

従事可能な業務範囲

・耕種農業のうち「施設園芸」「畑作・野菜」「果樹」
・畜産農業のうち「養豚」「養鶏」「酪農」
※農作業以外に、農畜産物を使用した製造・加工の作業の実習も可能

・耕種農業全般
・畜産農業全般
※農作業以外に、農畜産物等を使用した製造・加工、運搬・陳列・販売の作業も可能(ただし、農作業が主)

・耕種農業全般
・畜産農業全般
※日本人が通常従事している関連業務(農畜産物の製造・加工、運搬、販売の作業、冬場の除雪作業等)に付随的に従事することも可能

技能水準

「農業支援活動を適切に行うために必要な知識・技能」(一定の専門性・技能が必要)

①技能実習(3年)を修了した者又は
②農業全般についての試験に合格した者が該当。

「受入れ分野で相当程度の知識又は経験を必要とする技能」(一定の専門性・技能が必要)

※業所管省庁が定める試験等により確認。ただし、技能実習(3年)を修了した者は試験を免除。

日本語能力の水準

「農業支援活動を行うために必要な日本語能力」

①技能実習(3年)を修了した者又は
②農業全般についての試験に合格した者が該当。

「ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力を有することを基本」

※試験等により確認。ただし、技能実習(3年)を修了した者は試験を免除。

在留可能期間

最長5年(技能実習期間中は原則帰国不可)

※4年目の実習(技能実習3号)を開始する際に、1か月以上帰国させる必要

通算で最長3年(在留期間中の帰国可)

通算で最長5年(在留期間中の帰国可)

身分系の在留資格

ここに分類される在留資格は、「定住者」「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」の4つです。

身分で在留資格を取得した外国人は、就労制限なく働くことができます。

もちろん、農業での雇用も可能で、労働時間や日本の滞在期間に制限はありません。

資格外活動許可

留学生や家族滞在者など、就労目的として日本に来たわけではない外国人も資格外活動許可を取得できれば仕事ができます

しかし、1週間の労働時間は28時間以内と決まっています。

資格外活動許可の有無は、在留カード裏面の資格外活動許可欄で確認できます。

なお、資格外活動許可がない留学生や家族滞在者を雇うと不法就労助長罪に問われ、最長3年の懲役、最大300万円の罰金が科される可能性がありますので、注意しましょう。

くわしくはこちらの記事:不法就労助長罪とは?知らなかったとしても処罰対象!防ぐ対策を徹底解説

まとめ

農業における人手不足を解消するため、外国人雇用が1つの手段となっています。

しかし外国人を雇用する際は、必ず在留資格を確認しましょう。

また、それぞれの雇用条件によって従事できる業務が違うので、適切な在留資格の外国人を雇用しましょう。

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