外国人労働者の問題と解決策|社会的問題も徹底解説

2023/12/20

外国人労働者の受け入れにおいて「問題」を感じたことはありますか?

今日本では、在留外国人が増えているため、雇用の機会が多くなることは当然です。

そのような中で、コミュニケーションの壁や煩雑な法律に苦しんだ人も多いのではないでしょうか。

そこで、まずは外国人労働者の現状とどのような問題があるのかを把握しましょう。

主には、文化の違いと雇用・法律の複雑さが原因となっています。

この記事では、企業が抱える外国人労働者の問題とその解決策についてを知ることができます。

そして今後、外国人労働者を日本企業の力にしていきましょう。

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外国人を雇用する前に知っておくこと

実際に、日本でどれだけの外国人が働いているのかご存知でしょうか?

多くの人が「飲食店やコンビニでよく見る」程度だと思いますが、外国人労働者は年々増え続け、10年の間で3倍にもなりました。

現在は最高記録を更新しており、約182万人が日本で働いています。

その背景として、国の政策が大きな要因となっています。

例えば、2019年4月に設立された「特定技能」という在留資格は人手不足を解決するために、優秀な外国人を積極的に受け入れようというものです。

外国人労働者の現状

厚生労働省の統計によると、令和4年10月末時点では、日本で働いている外国人労働者が182万となり過去最高を更新しまして、10年間で3倍になりました

「外国人雇用状況」の届出状況まとめ

国籍別で見ると、外国人労働者の中最も多いのはベトナム、462,384 人で全体の25.4%を占めています。

次いで中国42万人で24.3%、フィリピン18万人で10.7%となります。

外国人労働者増加の背景

背景は様々ありますが、国の政策は大きな要因のひとつとなっています

例えば、2008年に発表された「留学生30万人計画」により、日本語教育機関や留学生を受け入れる大学や専門学校などが増えました。

2020年までを目標にしていましたが、2017年にすでに達成しています。

さらに、2019年4月から施行されている改正出入国管理法は「特定技能」という新しい在留資格を設立し、深刻な人手不足を解消するために優秀な人材を積極的に受け入れようというものです。

これは「技能実習生」からの移行も視野に入れています。

これまで在留資格は、技術や専門性のある外国人の就労を促進するものがほとんどでしたが、そうでなくてもできる「単純労働分野」にも対象が拡大されています。

このように、留学生や特定技能外国人は増えていき、日本での雇用も拡大していきます。

くわしくはこちら:8分でわかる!「特定技能」とは?雇用方法や注意点、「技能実習」との違いも

ニーズが高まっている外国人労働者

では、コロナ禍における外国人労働者のニーズはどのようなところにあるのでしょうか。

介護や建設業界など人手不足がコロナ禍以前から深刻となっていた業界においては、2020年も2桁を超える外国人労働者の増加率が記録されました。

また、製造業や小売業などの業界においても外国人労働者数が増加しています。

一方、飲食や宿泊業においては一時的に人材不足が解消されているような状況に見られています。

コロナの影響を受けて客足の減少や休業、営業時間の短縮などにより人員が余っているのが理由です。

しかし、日本の労働人口の減少は今後も加速することから、コロナが終息後、人手不足が再び浮上すると予想されています。

したがって外国人労働者のニーズが今までより高まるといえます。

外国人労働者の問題とは

外国人労働者の問題とは

外国人労働者を受け入れる動きは活発になっていますが、問題があるのも事実です。

実際に雇用した企業の多くが痛感したのではないでしょうか。

特に入社後の育成やコミュニケーションの取り方などで苦労した人は多いはずです。

企業のアンケートによると8割以上の人がそのような経験をしています。

さらに、最近ニュースでも見かける「不法就労」という言葉。

企業が誤って不法就労者を雇用してしまったり、行政への届出や労働時間管理を怠ったりして、逮捕や書類送検に至るケースが多くなっています。

これらは「知らない」「わからない」では済まされず、大きな問題のひとつと言えます。

くわしくはこちらの記事:不法就労の外国人を雇ってしまったら!?外国人雇用のリスクと回避方法

不法就労者が増えている

ニュースで「不法就労」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?

就労が許可されていない在留資格で働いてしまったり、労働時間の制限を守らないことなどを指します。

これは法律違反にあたるので、発覚したら罰が科されます。

場合によっては、在留資格が取り消されたり、強制退去して以降5年間は日本に来ることができなくなります。

法務省によると、令和3年に不法就労事実が認められた者は1万3,255人とのことです。

令和3年における入管法違反事件について

不法就労者を雇った場合は、不法就労助長罪として雇用主も3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科される可能性があります。

「知らなかった」「気付かなかった」という場合でも同様なので十分に気を付けましょう。

くわしくはこちら:不法就労助長罪とは?知らなかったとしても処罰対象!防ぐ対策を徹底解説

雇用・労務管理の手間がある

外国人雇用時の手続きやその後の労務管理が必要になることは日本人を雇う時との大きな違いといえます。

まず、雇用前の段階で在留資格や在留期限を見て就労可能かを確認しなくてはなりません。

適切な在留資格を持っていない場合、外国人の代わりに申請する必要もあります。

くわしくはこちらの記事:在留カードで簡単に就労可否を見分けられるコツ

そして、雇用が決まり入社をしたら「外国人雇用状況の届出」をハローワークに提出します。

提出を怠っても罰になりますし、退職時も同様に提出が必要です。

さらに、在留資格によって就労時間の制限がある人は限度を越えていないかの確認も必要になります。

これらは日本人を雇う時とは大きく違うので「手間」と感じる人も多いはずです。

コミュニケーションの不完全

コミュニケーション問題も、外国人雇用における大きな問題のひとつ。

株式会社スタディストが、5年以内に外国人労働者の育成に携わった735人の男女を対象に行った「外国人労働者の育成に関する課題調査」によると「8割以上が外国人労働者の育成に苦労した」と答えていました。

その理由の大半を占めたのが、「コミュニケーションが取りづらい」「口頭での指示が伝わらない」というもので言語の違いが壁となっていることがわかります。

そのほか、生活習慣の違い、時間にルーズというような異文化に戸惑うことが多いとのことでした。

生まれた国や環境が違えば当然のことではありますが、言語や文化の壁は大きく苦労する人が多いです。

社会的な問題もある

外国人労働者の受け入れによって社会的な問題も発生しております。

下記で主な3つの問題について説明していきます。

安価な労働力として扱われる

先述の通り、ベトナムや中国などの物価の安い発展途上国から来る外国人労働者が多いという現状ですが、彼らを安い労働力として扱っている人は少なからずいます。

そのため、外国人労働者の離職、もしくは失踪にもつながりますし、SNSで拡散されてしまい、企業や日本のイメージを悪くすることもあります。

日本で働いていれば、日本人であろうか外国人であろうか関係なく、日本の労働者として適切な賃金を支払わないといけません

劣悪な労働環境

外国人労働者の労働環境の悪さもニュースでよく取り上げられています。

先述の低賃金のほか、長時間労働や賃金未払い、いじめやパワハラなども深刻な問題点として挙げられます

特に近年急増している技能実習生。

上限を超えた残業だったり、残業代の不支給だったり、最低賃金より下回った報酬での雇用だったりなど、たくさんな事例が出てきております。

毎日新聞≫より引用

地域社会との摩擦の増加

日本に滞在している外国人が年々増加しているものの、外国人に慣れていない地域がまだまだあります。

それらの地域で、住民と外国人の間に誤解や摩擦が発生することがあります。

NHKが2020年に行った調査によると、外国人労働者の受け入れに賛成している日本人は多いものの、自分の地域に外国人が増えることに対して不安を持つ人も少なくありません。

例えば、治安の悪化です。

地域社会との誤解や摩擦を生じないために、お互いの理解とコミュニケーションが大事です。

したがって、企業も外国人労働者に地域社会との交流イベントへの参加を促すような動きを取ったほうが良いです。

外国人労働者問題に対して企業のできる対策

外国人雇用問題の解決策を知る

外国人労働者の受け入れには問題や壁がありますが、さきほどの株式会社スタディストのアンケートによれば9割以上が「今後外国人労働者が担う役割は増えると思う」と回答しています。

つまり、問題を解決すれば外国人を雇う価値は大きいということです。

そのためには、まずメリットを知りましょう。

特に思考や文化が違うことを活かして、職場内に良い環境を与えることは雇用しないとわからないことです。

お互いの国の文化を知ることや理解することも視野が広がるひとつの施策として重要です。

また、大きな問題のひとつである「不法就労」については知識を身に着けることが防止する第一歩です。

最近ではクラウドサービスを導入する企業も増えています。

外国人雇用のメリットを知る

まずは、外国人労働者を受け入れることによって得られるメリットを知りましょう。

人員が確保できることはもちろんですが、それ以外にも以下の3つがあります。

①海外進出の足掛けとなる

海外進出を考えている企業は、外国人材は必要不可欠と言っても過言ではありません。

特に進出を予定している国の人材を雇用することで、その国の文化や風習を知ることができたり、市場調査や現地での採用の場面で活躍するなどが期待できます。

②異文化の発想を取り入れることができる

生まれ育った国が違うと、考えや発想が変わってきます。

そうなると日本人では思いつかないような斬新なアイディアや施策が出てくる可能性があります。

きっと一緒に働く人たちにも良い刺激になり、思考の幅も広がります。

③社内の雰囲気が活発になる

外国人労働者は、まじめで向上心のある人が多いです。

停滞している雰囲気やマンネリ化しているルーティン作業などが活発化する可能性もあります。

ほかにも、顧客への外国語対応が可能になることや若い人材が多いこともメリットです。

不法就労を防ぐ

外国人雇用における企業にとって最も大きなリスク「不法就労助長罪」。

この罪に問われると、罰金や懲役が科されるだけでなく、事業の存続にも影響される可能性があります。

不法就労とは、日本に滞在してはいけない、もしくは就労してはいけない外国人が働いてしまうことです。

そして、彼らを働かせた企業が不法就労助長罪にあたり、最長3年の懲役、最大300万円の罰金が科される可能性があります。

しかも、「知らなかった」だとしても、この罪からは免じられないので、必ず気を付けてください。

不法就労助長罪にならないために、外国人の身分証明書である在留カード、また在留資格と在留期限の確認と管理が大事です。

こういった知識を身に着けてリスクを軽減をすることはもちろん、最近では社労士やクラウドシステム導入などで防ぐ企業も増えています。

くわしくはこちら:不法就労助長罪とは?知らなかったとしても処罰対象!防ぐ対策を徹底解説

雇用契約の締結と遵守

労働者を雇入れる際に、雇用契約の締結が必須となります。

たとえ労働者が外国人でも同じで労働基準法の規定に基づいた雇用契約を作成し外国人労働者に配布する義務があります

また、雇用契約書に記載された項目をしっかり守らないといけません。

明記した金額より低い金額を支払ったり、明らかに異なる業務をさせたりすると、労働基準法の違反だけでなく、不法就労助長罪や在留資格等不正取得罪など入管法にかかわる罪も問われる可能性があります。

企業を守る観点からしても、外国人を雇用する際に、雇用契約書をしっかり締結し遵守しましょう。

お互いの文化の理解

外国労働者を受け入れることによって「文化の違いに戸惑った」という人も多いはずです。

特に「あいさつ」や「時間を守る」などをもともと知らないという外国人もたくさんいます。

そこで、まずはそれらについて知ってもらうことが大切ですが、一方的に知ってもらうだけでなく、相手の国の文化も知ることも重要です。

お互いの文化を知ることで理解を深めて、良い関係性を作っていきましょう。

まとめ

外国人労働者の問題と解決策についていかがでしたでしょうか。

多くの問題は、コミュニケーションや文化の壁と不法就労にありました。

まずは雇用前に就労可能かを確認すること、雇用後は「外国人雇用状況の届出」の提出や、就労時間の管理をすることが不法就労をさせない基本となります。

そして、お互いに文化や言語の壁を乗り越えるべくコミュニケーションを密に取っていくことが重要です。

外国人労働者の受け入れは決して「問題」ではありません。

むしろ職場が活発になったり海外進出のきっかけになるなどの「チャンス」となり得ます。

外国人労働者数が過去最高になっている今、チャンスを逃さないよう外国人雇用を積極的にすすめていくことをおすすめします。

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外国人雇用を検討していても、在留資格や制度や手続き・受け入れ環境の整備など、わからないことが多くて不安という方が多いのではないでしょうか。

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