ワーキングホリデーの外国人の雇用方法と採用に関する注意点
2023/09/27
- ワーキングホリデー
- 在留資格

留学生や家族滞在など様々な在留資格の外国人材が集まるの中で、若くて就労時間に制限がないワーキングホリデーの人材も注目されています。
「ワーキングホリデー」は、直訳すると「働きながら休暇を取る」になります。
海外の18~31歳の若者がワーキングホリデーを通して、休暇の間に就学、観光、就労することで、日本の文化や生活を体験しています。
休暇目的となっていますが、滞在期間に利用するお金を稼ぐための労働は認められています。
また、労働時間に制限は設けていません。
ただし、ワーキングホリデーの在留期限は長くても1年間となっています。
これは更新不可となっているため、在留期限を過ぎると働くことはできません。
また、日本にいる間に就労ビザやほかの在留資格への切り替えも原則的に禁止されています。
ワーキングホリデーで働きたい人を募集する方法は、掲載型の求人媒体よりもFacebookやワーキングホリデーの人材に特化した媒体を利用することをおすすめします。
ワーキングホリデーとは
ワーキングホリデー制度は協定した2国・地域の若者に対し、休暇目的の入国及び滞在期間中における旅行・滞在資金を補うための就労を認める制度で、文化交流の促進のため設立されました。
2020年1月時点で、日本とワーキングホリデー協定を締結した国・地域は23あります。
原則の申請時の年齢制限が18~30歳で、ワーキングホリデーの人材を採用する際は、年齢が比較的若くなります。
また、就労時間の制限がないことも特徴です。
ワーキングホリデー制度と現状
外務省の2019年の数字によると、年間1.5万の外国人がワーキングホリデー制度を通して、日本に来ています。
すべての国の人が、ワーキングホリデー制度を通して日本に来られるわけではありません。
日本とワーキングホリデーの協定を締結している国のみ利用でき、現在は以下の合計23の国や地域となっています。
北アメリカ | カナダ |
南アメリカ |
アルゼンチン・チリ
|
ヨーロッパ |
英国・アイルランド・フランス・ドイツ・スペイン・アイスランド・デンマーク・ノルウェー・ポルトガル・ポーランド・ハンガリー・リトアニア・オーストリア・チェコ・スロバキア
|
オセアニア |
オーストラリア・ニュージーランド
|
アジア |
台湾、香港、韓国
|
また、青少年向けの制度となっているため年齢制限があります。
原則的に申請時に18~30歳と決まっていますが、例外もあります。
オーストラリア、カナダ、韓国は18~25歳、アイスランドは18~26歳です。
ちなみに、ワーキングホリデーは在留資格ではなくワーキングホリデー制度で日本に来た人に対して、「特定活動」という在留資格を付与します。
ワーキングホリデーの応募条件
日本とワーキングホリデーの協定を結んでいる上記23の国・地域の国民であること、かつ申請時の年齢が制限に超えていないのが基本条件です。
また、下記5つの条件を満たさないといけません。
- 子ども、または被扶養者が日本に連れてこないこと。
- 有効なパスポートを有すること。また、往復の旅費を負担できること。
- 日本で滞在する初期の生活を維持する必要な資金を持っていること。
- 健康であること。また犯罪歴がないこと。
- 昔にワーキングホリデーをしたことないこと。
ワーキングホリデーの人を雇用するメリット
ワーキングホリデーの人材を雇用するメリットは、主に3つあります。
1つめは、就労時間制限がないこと。
「働きながら休暇を取る」という目的で日本に来ていますが、就労時間に制限を設けていません。
留学生の場合、労働時間が1週間に28時間を超えてしまうと「不法就労」に該当していまいますが、そのような心配はありません。
2つめは、比較的若い人材であること。
年齢制限があるため、基本的にはワーキングホリデーで来日した人は31歳以下となります。
また、日本に来る前に自身が健康であることも日本政府に証明しないといけません。
3つめは、業務内容の制限がないこと。
在留資格によっては、単純作業ができない場合もありますがその心配も不要です。
幅広い仕事内容を任せることができます。
ほかにも欧米の国が多いという特徴から、異国の文化を知ることによって視野が広がったり多国語の対応が可能になるということもメリットです。
ワーキングホリデーの雇用に関する注意点

ワーキングホリデーの人を採用する際も、他の外国人と同じく在留カードの確認と在留期限の管理はしないといけません。
「外国人雇用状況の届出」の提出も必要となるので、期限までにハローワークに提出できるようにしましょう。
また、ワーキングホリデーの滞在期間は長くても1年と決まっています。
期限の延長や在留資格の変更は原則不可となっているので採用前に注意しましょう。
在留期限内に退職の準備も完了させないといけません。
納税については、1年以下の滞在となるので非居住者と扱われるため、税率は固定となります。
在留資格の確認と「外国人雇用状況の届出」の提出
ワーキングホリデーの人から求人応募が来たら、必ず在留資格の確認をしましょう。
在留カード(入国管理局から発行した身分証明書)とパスポートの両方を確認する必要があります。
まず、在留カードの表の在留資格欄に「特定活動」の記載と、「指定書により指定された就労活動のみ可」の記載があるかを確かめます。
そして、パスポートに挟んでいる指定書で次の3つを確認してください。
- 指定書と在留カードで記載されている外国人の名前と国籍が一致しているか。
- 本文に 「本国領事官等の査証(同表において「ワーキング・ホリデー査証」という。)の発給を受ける者」 の文章があるか。
- 指定書右下にある入国管理局の印鑑の日付と、在留カードの発行日付が一致しているか。
在留カードとパスポートの確認方法は次の記事をご覧ください。
くわしくはこちらの記事:在留カードで簡単に就労可否を見分けられるコツ
また、採用後は「外国人雇用状況の届出」を提出する必要があります。
様式は3種類あって、雇用保険への加入有無に応じて正しい様式を提出してください。
在留期限は長くても1年
ワーキングホリデーの在留期間は「6月」と「1年」の2種類あります。
在留期限が切れてしまうと在留カードが失効となり、就労も認められません。
また、ほかの在留資格と違って、期限の更新が不可となるため、在留期限まで確実に退職手続きを完成しないといけません。
在留期限を把握するため、入社の時に在留カードをコピーして保管しましょう。
また、期限が終了する前にアラートを出すなど在留期限を過ぎた後は絶対に働かせないでください。
就労ビザへの切り替えはほぼ不可
ワーキングホリデーの人を正社員雇用したい場合は、就労ビザへの切り替えが必要となります。
原則として、オーストラリア、カナダ、韓国、ニュージーランド、ドイツ以外の外国人はワーキングホリデーが終了したあとは、日本から出国しないといけません。
つまり、その他の国からワーキングホリデーで来た人たちは日本国内での就労ビザの切り替えは難しいです。
ただし、原則として出国が必要となっているだけで、入国管理局の審査部門の審査次第では国内での変更が可能となる場合もあるとのこと。
そのため就労ビザで雇用したい場合は、入国管理局に事前に問い合わせるか、帰国後に改めて申請したほうが確実でおすすめです。
就労ビザの取得方法はこちらの記事を参考にしてください。
くわしくはこちらの記事:就労ビザの申請の流れや注意点をチェック
所得税率は非居住者のため固定
日本で働いている人には納税の義務があります。
ただし、ワーキングホリデーの人の在留期間は1年未満のため、所得税法では非居住者とされます。
そのため、所得税率は20.42%で固定となります。
税金の計算は居住者と違いますので、気を付けてください。
税率が違うことを知らない人もいるので、入社前にしっかりと説明をして誤解のないようにしましょう。
ワーキングホリデーの外国人を集める方法

ワーキングホリデーで働きたい人を集める場合は、掲載型の求人媒体より効果的な方法があります。
ワーキングホリデーは長くても1年間の滞在となっているので、来日前に仕事探しをする人も多いです。
日本で必要なお金を計算するのに、事前に仕事が決まっていれば収入も把握できます。
そのため、ワーキングホリデーの求職者を集めたい場合は日本に来る前にアプローチすると良いです。
おすすめは、ワーキングホリデー向けの求人媒体やFacebookです。
それぞれ、登録ユーザー数や費用がかわってきます。
特徴も違うので、自社にあった方法でワーキングホリデーの求職者を集めると効率的で採用活動もスムーズに進みます。
Job Boardで求人を掲載
ワーキングホリデー協会が運営している求人媒体、Job Board(ジョブボード)で無料で求人を掲載できます。
Job Boardは、ワーキングホリデーの期間中に日本で仕事したい外国人に求人情報を提供する媒体です。
ワーキングホリデーの労働者を集めたいなら、誰でも求人を投稿できます。求人募集を掲載するのに、お金かかりません。
くわしくは以下URLにアクセスして、ご確認ください。
URL:JobBoard「お仕事情報(求人)の掲載方法について」
Facebookグループを活用
Facebook(フェイスブック)は全世界で総ユーザー数は25億人のSNSです。
Facebookには、ワーキングホリデーに興味のある人が集まっているグループがいくつかあります。
その中では仕事や住宅について日本に滞在するのに必要な情報が投稿されています。
グループに参加して求人情報を投稿すれば、来日する人や仕事を探している人にアプローチすることができます。
また、Facebook Messenger(フェイスブックメッセンジャー)を利用すれば、テレビ電話として面談をすることもできるので日本語のチェックにも役立ちます。
これらの掲載料や通話は無料になっているので、なるべく費用をかけずに求職者を集めたい企業にはおすすめです。
Facebookのユーザー数は世界でも圧倒的に多いのでより多くの外国人にアクションできるのがメリットとなります。
まとめ
年間1.5万人の外国人がワーキングホリデー制度を通じて日本に来ています。
次にあげるメリットからも、近年注目されている人材です。
- 就労時間に制限がないこと
- 31歳以下の若い人材を採用できること
- 業務内容に限りがないこと
若くて時間制限がない人材を積極的に採用できますが、ワーキングホリデーは滞在期間が長くて1年間なので注意しましょう。
税率も非居住者なので他の外国人と違う可能性が高いです。
これらを確認したうえで、ワーキングホリデー向けの求人媒体やFacebookなどでの募集がおすすめです。
日本に来る前に仕事を探している人も多いため、海外にも発信しているコミュニティや媒体に掲載するようにしましょう。
外国人雇用をお考えならば、まずはご相談を!
外国人雇用を検討していても、在留資格や制度や手続き・受け入れ環境の整備など、わからないことが多くて不安という方が多いのではないでしょうか。
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