外国人留学生をアルバイト採用・新卒採用したい!注意点とやるべき手続きも

2023/12/21

アルバイトも新卒も。外国人留学生の活用方法を紹介

人材不足で悩んでいれば、外国出身の人材に目を向けてみるのもひとつの手です。

特に日本について学びに来ている外国人留学生は、日本の文化に一定の理解があるだけではなく、留学している間にいろいろな経験を積みたいとも考えているため、実は意外と雇いやすい人材でもあります。

そこで今回は、外国人留学生を雇うメリットや注意点、また雇用するうえでやらなければならない手続きについて解説します。

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少子化でアルバイトが集まらないなら外国人留学生を視野に

少子化の影響で、国内では若年者の人口が徐々に減ってきています。

若年人口の減少は労働力にも大きな影響を及ぼし、今や人材不足がかなり深刻化している業界も決して少なくありません。

特にお盆や年末年始といった帰省シーズンは、シフトに穴が空いてしまうことも多く、シフトを管理している担当者や人事統括の責任者にとっては大きな悩みの種になっています。

こうした慢性的な人材不足を解消するためには、まず人材活用の分母を大きく広げる必要があります

そのためには、国内だけではなく、国外まで視野を広げることが効果的です。

外国人留学生を雇用するメリットとは

日本にやってくる外国人の数は多く、特に外国人留学生の数は2010年代に入って以降、急増しています。

もし増え続ける外国人留学生を労働力として活用できれば、少子化で人材が集まらない業界でも労働力を十分に補える可能性を高めることができるのです。

しかも、外国人留学生は人材を探しにくい業界、シーズンを問わず、比較的雇用しやすい人材といえます。

たとえば、日本人のスタッフの場合、帰省シーズンには地元に帰ってしまう人が多いですが、外国人留学生の場合は文化や習慣が異なります。

そのため、帰省シーズンでも比較的シフトに入ってもらいやすいという特徴があります。

また、日本人の人材が集まりにくい職種であっても、日本文化を学習・体験するために来日している外国人留学生は、より人材が集まりやすいといった点も大きな特徴です。

雇いやすいという点だけではなく、外国人留学生を早い段階から受け入れておくことには別のメリットもあります。

外国人材の活用は、将来的なインバウンドの増加を考えた場合でも、大きな旨味のある取り組みだといえます。

インバウンドとは、日本を訪れた外国人による消費や観光などのさまざまな経済活動のことです。

これから先のグローバルな時代に対応するためにも、若い外国人留学生をいち早く確保しておけば、外国人の価値観を知ることにもつながり、将来的に利益の大きい投資になり得る大きな可能性を秘めているのです。

くわしくはこちらの記事:外国人労働者雇入れのメリットと課題は?採用方法や手続きも徹底解説

「留学生30万人計画」によって外国人留学生は急増!

外国人留学生を人材として活用するためには、まず留学生自体がどの程度日本に滞在しているのか知っておかなければなりません。

2008年の段階で、日本に滞在している外国人留学生の数は約12万人に過ぎませんでした。

その当時、日本は他の先進諸国に比べて留学生の受け入れが進んでおらず、日本を留学先に選ぶ外国人の学生がそこまで多くなかったという実情がありました。

しかし、日本政府も留学生が少ないという状況を問題視し、2020年を目処に留学生の数を30万人まで増やすという「留学生30万人計画」を2008年に発表しました。

その結果、留学生の数は年々増え続け、2020年を迎える前年の5月の段階で留学生30万人という目標を達成することができたのです

日本にやってくる外国人留学生の中でも、特に多いのが中国出身の学生です。

次いで、東南アジア各国からやってくる学生もたくさんいます。

特に東南アジア各国からの留学生は、政府の計画が発表されて以降急増しており、ベトナムとネパールに至ってはこの期間に10倍以上も数を増やしてきました。

留学生が日本を希望した理由

外国人留学生がここまで急増した理由は、政府による後押しがあったからだけではありません。

日本・日系企業での就職の準備

そもそも外国の若者にとって日本に魅力があるのはもちろん、日本で文化や学問を学ぶことに大きなメリットがあるからです。

たとえば、東南アジアには日本企業が多数進出しています。

現地の企業より日本企業は給与が高く、現地の人にとっては魅力的な就職先のひとつです。

日本に留学すれば、日本語を学ぶことができ、さらには日本の仕事を経験することもできます。

そうすることで、母国に帰ったときに日本企業に採用される可能性を高めることができるのです。

これこそ外国人が日本を留学先に選ぶ大きな理由のひとつです。

日本の高水準教育を受けたい

また、特に発展途上国と比較すると、日本の教育レベルはより高い水準にあるといえます

もちろん、途上国の中にも高等教育に力を入れている国はありますが、それでもやはり日本の高いレベルの教育は現地の人にとっては大きな魅力です。

こうした日本の高度な教育を求めて、東南アジア各国にとっては欧米に比べて身近な教育先進国である日本へ留学にやってくる学生も少なくありません。

日本の学費が先進国の中に比較的に安い

日本の高等教育は学費も安い傾向にあります。

たとえば、シンガポールやオーストラリアと比べると、日本の学費はかなり安く、留学生にとっての金銭的負担は軽めです。

2014年のデータによれば、オーストラリアに留学した際の留学費用は年間で約510万円、シンガポールだと約470万円となっています。

これに対して日本は240万円程度に過ぎず、約440万円かかるアメリカと比べてもかなり低い水準です。

とくに途上国の学生にとって、留学に関わる経済的負担は大きなネックとなります。

負担の少ない費用で高い水準の教育を受けられる日本は、途上国出身の外国人にとっては魅力的な留学先として映るのです。

外国人留学生をアルバイトとして雇える?

外国人留学生をアルバイトとして雇用できるかどうかの見分けポイントを解説します。

外国人留学生が増えている状況は、各企業の人材担当者にとっては好ましい状況だといえます。

増え続ける外国人留学生をうまく活用できれば、人材不足を解消できるかもしれません。

ただ、外国人留学生はあくまで勉強をしに来ている外国人です。

そういう状況の外国人を、果たして労働力として活用しても大丈夫なのでしょうか。

ここでは、外国人留学生をアルバイトとして雇えるのかという問題について紹介します。

まず在留資格を理解しよう!

日本に滞在している外国人は、日本国籍を取得している場合を除いて、何らかの在留資格というものを持っています。

在留資格とは、日本に適法に滞在する資格のことです。

在留資格はいくつかのカテゴリーに分かれており、外国人留学生の場合は「留学」というカテゴリーに分類されます。

「留学」という資格で来日している外国人は、基本的に勉強以外のことをできない決まりになっています

そのため、在留資格が「留学」に分類されている外国人留学生は、日本で賃金が発生する仕事に就くことはできませんし、雇用主側も「留学」カテゴリーに分類されている外国人を雇って働かせることはできません。

「資格外活動許可」のある留学生なら雇える!見分け方は?

ただ、留学生として来日している外国人でも、日本で仕事に就くことができる場合もあります。

それは「資格外活動許可」を得た外国人留学生です。

資格外活動許可とは出入国在留管理庁が発行する許可で、この許可を得た外国人留学生には勉強以外の活動、例えばアルバイトの従事が一部許されるようになります。

さらに、留学生の資格外活動許可は包括許可といいまして、就職先を特定せず包括的に就労活動を許可するということです。

そのため、資格外活動許可を持っている留学生を雇用すると、在留資格や許可の申請などの手続きは不要となります

多くの留学生はこの資格外活動許可を得て、日本でアルバイトをしています。

資格外活動許可有無の確認方法

もし、資格外活動許可のない外国人留学生が日本で働いた場合、「不法就労」として外国人本人はもちろん、雇用した側も処罰されてしまう恐れがあるので気を付けなければなりません。

くわしくはこちらの記事:不法就労の外国人を雇ってしまったら!?外国人雇用のリスクと回避方法

その外国人留学生が資格外活動許可を得ているかどうかの確認方法は、パスポートに貼付されている証印シールを確認する方法や、許可を受ける際に交付される「資格外活動許可書」を見せてもらうといった方法があります。

また、留学生の在留カードの裏面に許可の要旨が記載されるので、採用する前にしっかり確認しましょう

外国人留学生を雇ってはいけない仕事

資格外活動許可を受けた外国人留学生であっても、就くことができる職種には制限が設けられています。

たとえば、風俗営業法に関わる職業に外国人留学生は就くことができません

主にキャバクラやスナック、バーなどがこれにあたります。

たとえ清掃や調理の仕事であっても、それがキャバクラやバーの店内での仕事である場合は認められません。

これは、風俗営業等の規則及び業務の適正化等に関する法律(以下「風営法」)第2条第1項により規定されていることですから、破れば法律に違反することになり罰則の対象となります。

風営法においては、キャバクラや風俗店の他、パチンコ店、麻雀店、キャバレー、ラブホテルなどでの外国人留学生の就労も禁じています。

ゲームセンターも風営法の対象内なので、これらの業種の場合は外国人留学生を雇うことはできません。

留学生アルバイトは就労時間制限に注意!

外国人留学生を雇用する場合も、当然日本人と同じ法律が適用されます。同じ職場で働いている日本人と差別することは許されず、同じように扱わなければなりません。

そして外国人留学生の場合、基本的には勉強しに来日しているため、本来の目的を妨げることがないよう、就労時間には厳格な制限が設けられています。

以下、留学生アルバイトの就労時間制限について紹介します。

基本的に週28時間まで

外国人留学生の本来の目的は勉学です。

そのため、アルバイトへの就労は、日本の職業文化を体験するためや、交際費の足しにするためなど、あくまで留学の補助的な役割に過ぎません。

そのため、勉学という本来の目的を阻害しないために、外国人留学生の就業時間は基本的に1週間に28時間までと定められています。

これは月曜日から計算した時間ではなく、どの曜日から換算しても1週間の就業時間が28時間を超えてはならないという規定です。

したがって、月曜日から日曜日までの1週間で28時間を超えていなくても、水曜日から翌週の火曜日までの1週間で28時間を超えていると違法となるので、シフトの組み方には注意が必要となります。

ただし、週28時間という制約は、授業がある場合の上限です。

夏休みや冬休みなどの長期休暇で授業がない場合は、1日8時間、週40時間まで就労することが認められています。

ここでいう長期休暇とは、学校が定める休暇期間のことです。

留学生本人の都合で休講が多かったり、アルバイトに割く時間が増えていたりしたとしても、それは長期休暇とは見なされません。

就業時間の上限も週28時間以内となるので、注意する必要があります。

就労制限が守られていないという問題

法律的には週28時間という制限が設けられていますが、実際の運用上では就労制限の規定が厳格に守られていないという問題もあります。

日本は比較的留学費用のかからない留学先ではありますが、それでも途上国出身の学生にとって日本での生活は物価が高く、28時間以上働かないと留学生活を維持できない外国人留学生も少なくないようです。

これは留学生だけの問題ではなく、留学生を受け入れる学校側にしっかりした教育体制が整っていないという側面もあります

もちろん、違法であることをわかっていながら、外国人留学生を長時間労働させてしまう雇用者側も問題です。

これから外国人材の受け入れを進めていくなら、雇用者側もしっかりした意識を持って問題に取り組む必要があるといえます。

守らなかった場合の企業側への罰則

もし、就業時間制限を守らずに外国人留学生を働かせた場合、雇用者には不法就労助長罪という法律が適用されます。

3年以下の懲役、または300万円以下の罰金、もしくはその両方が課される場合があるので、くれぐれも注意しなければなりません。

また、資格外活動許可を得ていない外国人留学生を雇ったり、風営法で禁じられている職種で外国人留学生を働かせた場合も同様の罪に問われます。

たとえ雇用者側に不法就労であるとの認識がなくても、採用する際に資格外活動許可の確認を怠った、ような過失があれば、その過失に対しても不法就労助長罪が適用されます。

もちろん、外国人本人も強制送還や強制退去などの罰則を受けますが、雇用者側にもペナルティがあることは十分に認識しておくべきでしょう。

くわしくはこちらの記事:不法就労助長罪とは?知らなかったとしても処罰対象!防ぐ対策を徹底解説

留学生をアルバイトとして採用した後の手続き

留学生をアルバイトとして採用した場合、法律に基づいて所定の手続きを行う必要があります。

まず、採用する外国人労働者の氏名や在留資格、また在留期間などについて確認しなければなりません。

次いで、確認した事項をハローワークに届け出なければなりません。

その届出は外国人雇用状況の届出といいまして、ハローワーク窓口に直接届け出ても良いですし、電子申請で済ませるという方法もあります。

ここまでが外国人留学生をアルバイトとして採用する際の雇用者側の義務です。

もし、申請書の提出を怠ったり、虚偽の内容を報告した場合は、30万円以下の罰金が科される恐れがあるので気を付けましょう。

留学生を新卒採用するには?

外国人留学生を新卒として採用することも可能です。

外国人留学生をアルバイトとしてではなく、新卒として採用する企業もあります。

留学生は日本人とは違った価値観を持っていたり、社内の活性化を促進したりするなど、新卒採用する利点も大いにあります。

ここでは、留学生を新卒採用する企業の目的や、採用する場合の手続きについて解説します。

留学生を新卒として正社員採用する企業の目的

留学生を新卒として正社員採用する際は、しっかりとした目的意識を持つことが重要です。

外国人留学生を新卒採用するには、一般的な日本人を採用するより手続きが複雑なので、少しハードルが高い側面があるからです。

何のために留学生を採用するのか、その目的がしっかりしていれば、外国出身という貴重な人材を適材適所で活用することができます

優秀な海外人材を獲得する

国籍に関係なく優秀な人材を求めるという目的で、留学生の新卒採用を目指す企業もなかにはあります。

実際、日本の労働人口の減少は深刻化しており、国籍にこだわっていてはますます人材は枯渇しています。

日本で勉強した経験を持つ外国人留学生であれば、日本の事情にも精通しており、かつ外国の知識や情報も持っているため、優秀な人材として採用する価値は大いにあるといえます。

海外進出の手掛かりになる

また、海外に進出するきっかけを掴むために、留学生の採用を進めている企業も少なくありません。

近年、飛躍的に増えているとはいえ、日本における外国出身の労働者はまだまだ少数派です。

日本の企業に就職したいという意欲のある外国人留学生は、その点においても貴重な存在であり、外国の事情に精通した留学生を採用すれば、海外との懸け橋にもなってくれるはずです。

新しいアイデアや発想が生まれる

生まれ育った環境が異なれば、考え方や思考の仕方も大きく変わってくるものです。

日本人とは違った価値観を持った外国人は、日本人が思いつかないようなアイデアや発想をもたらしてくれるかもしれません。

このように、文化背景の異なる存在としても、外国人留学生は価値のある人材だと考えられているのです。

留学生を新卒採用する場合の手続き

外国人留学生は「留学」資格で来日しているため、新卒採用する際は就労可能な在留資格に変更しなければなりません。

就労可能な在留資格には、「技術・人文知識・国際業務」や「特定技能」などの資格があり、それぞれ就職する職種や業種によって決められます。

来日後に在留資格を変更するためには、「在留資格変更許可申請」を行う必要があり、原則として外国人本人の居住地管轄の地方出入国在留管理署において申請する必要があります。

申請は通常1~3ヶ月ほど時間を要するため、新卒採用の場合は期間を見越した準備が大切です。

4月に入社してもらうためには、少なくともその3ヶ月前に申請手続きを進めておくと安心でしょう

留学生を正しく雇って多様性のある活気あふれる職場に

日本人と異なる価値観を持った留学生は、企業としても大いに注目すべき人材です。

採用にあたっての確認や手続きをしっかり行えば、多様性のある活気あふれる職場にすることも期待できます。

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外国人雇用を検討していても、在留資格や制度や手続き・受け入れ環境の整備など、わからないことが多くて不安という方が多いのではないでしょうか。

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